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餌の時間。

陶器製の平皿に、餌を盛りつけた。

贅沢にも、市販品をそのまま開けて。

餌は本来、私の食べ残しが適切なのだが、あいにくその日は食事を済ませていた。

木材の床の上に、コトリと餌を盛った皿を置いてやると、

四つん這いの奴隷は、

嬉しいのか、頭がよく回っていないのか、恍惚としているのか、判別しずらい表情をしていた。

リードに繋がれた首輪。そして瞳の焦点が定まっていない。




「お腹空いただろう、食べなさい」

奴隷は、礼儀正しくきちんと返事をして、

裸で私の足元にある皿に顔を近づけた。

餌を与えると、頭の姿勢が低くなり、

四つん這いの奴隷は、自然と脚を開き、尻を突き出すような格好で食すことになる。

だが、私の足元に皿はあったから、横向きの状態だった。

淫靡な身体を柔らかくしならせ、肩胛骨だけを動かして、餌を食べ始める奴隷。

背中から尻に至るラインが女性らしく美しい。




咀嚼する音は、それほど聞こえない。

しばらく眺めて、もっと豚らしく下品に食しなさい、と命じようと一瞬思ったが、やめる。

気分を変えて、私の座っている椅子から遠い場所に、わざわざ皿を移動させる。




突然皿を取り上げられた奴隷は、不意打ちを食らう。

一瞬どうしたらいいのか分からない、といった顔をした。

私が顎で指し示すと、無心にそこに向かって四つん這いで歩いた。

そこには躊躇いはなかった。



私の座る椅子から正面で、丁度、人1人分離れた場所に皿はあるから、自然と、奴隷は、私に尻を向けた形になる。

お尻を向けているから、表情はうかがい知れないが、さきほどまでの鞭の痕が生々しく見えた。



奴隷は、ふただび餌を口にしようとする。

意地悪く、

私は後ろから、尻を足先で小突いて遊ぶ。

足の親指を使って、もてあそんでやると、

声が聞こえた。

餌と尻・・どちらにも集中できずに困惑しているのか。

本来、ありえない組み合わせが奴隷のこころを乱す。性と食。



私の親指に蜜がついた。

奴隷は食後のデザートと称して、それを舐めることになかもしれない。

足指を汚してしまい申し訳ございません、と言って。





「ごちそうさまでした」

こちらを向いた奴隷が言った。